ノーマ・フィールドさん書評でイノベ構想についてコメント

 昨年の本会オンライン学習会で講師をしていただいたノーマ・フィールドさんが、みすず書房読者アンケートで、「黙殺された被曝者の声ーアメリカ・ハンフォード 正義を求めて闘った原告たち」(トリシャ・プリティキン著 宮本ゆき訳)について取り上げ、イノベーション・コースト構想について触れられています。

 ノーマさんは、ハンフォードのあるワシントン州ですら、ハンフォードについて、その存在自体すなわち核開発の歴史や核汚染の実態について、ほとんどの人々が知らない現状に危機感を抱いておられます。

 ご本人のご許可を得て転載します。


黙殺された被曝者の声_みすず読者アンケート.pdf


 あわせて、最近ノーマさんが読まれた本をご紹介いただきました。
Unmaking the Bomb Environmental Cleanup and the Politics of Impossibility
 カリフォルニア大学出版

 以下、ノーマさんコメント

 先日、ハンフォードについて素晴らしい新著を読みました。
著者はワシントン州立大学ボセル校の教員で、被ばく3世と考えてよいと思います。おじいさんがハンフォードの敷地建設に携わったそうで、ご両親は直接関わった訳ではないですが、お父さんは56歳で死亡、お母さんは62歳。お二人ともがん。彼女自身は乳房や卵巣、卵管を摘出。学位論文を書きながら抗がん治療。妹さんは2度がんを患っている。病気の因果関係を証明するのはほんとに難しい。だからそれがこの本の目的ではないけれど、自分がいかに「密接に」ハンフォードと関わっているか、ということを指摘したい。23歳ぐらいから市民の委員会に入ったりしています。除染、clean-upは基本不可能であること。そしてそれに付随する被曝労働について今まで読んだことがないような筆致で綴っています。


 日本語版の刊行が待ち望まれます。


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