エフレイの完成予想図 対米従属の軍事と経済安保の研究拠点

 7月30日、福島国際研究開発機構(F-REI)(以下、エフレイ)の完成予想図が公開されました。これは同29日に南相馬市で開催された、第4回新産業創出等研究開発協議会の配布資料におけるものです。

左上の現況と比べて下さい。



エフレイは、浪江駅の西側に建設されます。
東側は以下のように再開発される予定です。東側「浪江町グランドデザイン」の設計は隈研吾事務所です。


現在の浪江駅(2025年7月現在)

エフレイのモデルは、米エネルギー省のパシフィック・ノースウエスト国立研究所です。原爆開発マンハッタン計画のハンフォード・サイトに立地し、軍事やエネルギーなどの研究を行っています。


2024年10月3日、エフレイはPNNLと連携協力の覚書を交わしました
内容は、
1.ロボティクス及び⾃動化
2.持続可能な農林⽔産
3.クリーンエネルギー技術
4.放射線科学及びその産業応⽤・放射性同位体を⽤いた医薬品開発
5.原⼦⼒災害対応への情報共有アプローチに関する共同研究
等に向けた連携関係を確⽴とされており、まさしくエフレイの研究テーマと一致しています。
PNNL所長との覚書署名式 その後浜通りの施設を案内した

この二カ月前の4月10日、岸田首相(当時)はバイデン大統領(当時)と日米首脳会談に臨み、日米首脳共同声明(「未来のためのグローバル・パートナー」)を発表しました。宣言のファクトシートには、次のように書かれています。

重要・新興技術及びイノベーション:
パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)及び福島国際研究教育機構(F-REI)は、エネルギー、ロボット、放射線科学、原子力災害に関する取組及び農業等の選ばれた分野における共同研究の機会を拡大するため、協力関係を構築する協力覚書の締結に向け取り組んでいる。




ファクトシートには、世界がしのぎを削る最先端技術(軍事)の研究開発分野がこれでもかと並んでいます。日米協力の名の下の研究開発が公正公平からほど遠いことは、これまでの武器爆買いや思いやり予算、今回のトランプ関税にまつわる取引を見ても否定の余地がありません。

米国ハンフォードの廃炉や除染に従事する企業は、イチエフの廃炉ビジネスにも参入しようとしています。廃炉、除染、廃棄物処理、(恐らく汚染土再利用)、復興そして経済安保と軍事研究開発に至るあらゆる分野で米国の利益収奪が見えにくい形で及んでいる、エフレイとPNNLの協力は、それが可視化された氷山の一角ではないかと思います。



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