「ハンフォードは福島復興のモデルになるのか」第4回オンライン学習会を開催しました

2023年8月26日  イノベ監視会第4回オンライン学習会「ハンフォードは福島復興のモデルになるのか」を開催しました。

9月9日 アンケートの一部を掲載しました。最下段をご覧ください。

福島原発事故後始末の除染と廃棄物処理、事故収束作業(廃炉)から、復興事業としてのイノベーション・コースト構想、イノベの司令塔となる福島国際研究教育機構(F-REI)まで、その多くがハンフォードをモデルに進められています。
福島で進められている一見華々しくも得体の知れない数々の事業についてその実態を知るため、まずはハンフォードについてじっくり学びたいと考え、長年ハンフォードと地元の被曝者に向き合ってこられた米国在住の3人の方々にお話しを伺いました。アーカイブ動画をぜひご覧ください。


講師:ノーマ・フィールドさん(シカゴ大学名誉教授)、宮本ゆきさん(デュポール大学教授)、川野ゆきよさん(アーティスト)












アーカイブ「ハンフォードは福島復興のモデルになるのか」


以下は、ノーマさんがお話の中でご紹介下さった世界の核大国におけるずさんな核廃棄物・核汚染の実態を描く大変貴重なドキュメンタリー映像です。併せてぜひご覧ください。


日本語字幕の表示方法:動画の右下「設定(歯車ボタン)」⇒「字幕」⇒「英語字幕」⇒再度「設定」⇒「自動翻訳」⇒「日本語」

「核の悪夢」 核廃棄物に関するフランスのドキュメンタリー

2010年2月22日   

2010年2月20日、グリーンピースはフランスからロシアへの再処理ウランの出荷を一時停止するよう呼びかけた。活動家たちは、ラ・アーグ再処理工場からシェルブール港への再処理ウランの鉄道輸送を繰り返し妨害していた。

議会の調査、政府の声明、グリーンピースの行動は、独仏放送局ARTEが2009年10月13日に初めて放送し、その後さまざまなテレビ局で再放送された100分のテレビドキュメンタリー『Déchets - Le Cauchemar du Nucléaire(廃棄物-核の悪夢)』の驚くべき結果の一部である。このドキュメンタリーは、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランスの核廃棄物管理に関する調査結果を紹介している。



こちらもオススメです。

「黙殺された被曝者の声 アメリカ・ハンフォード 正義を求めて闘った原告たち」

 トリシャ・T・プリティキン 著 宮本 ゆき 訳 


以下は川野ゆきよさんがインタビューを受けた記事です。(英語)

My Reason for Not Watching Oppenheimer (A Perspective from Hiroshima) - Union of Concerned Scientists (ucsusa.org) August 15, 2023
 (映画「オッペンハイマー」を観ない理由(広島からの視点))



今年8月6日、アメリカによる広島への原爆投下から78年目を迎えようとしているとき、私の心は、あの日祖父がいた爆心地から800メートル(半マイル)の中国電力の地下室に戻り続けていた。核爆弾の威力がいかに人体を破壊するか、核爆発の真空がいかに子どもの眼球をえぐり出すか、原子爆弾の火傷がいかに人類が見たこともない方法で皮膚を剥がし、顔を腫らし、腐食させるかを私は目撃する。ある批評によれば、この映画監督はオッペンハイマーの顔に焦点を当て、原爆による殺戮を見せるのではなく、むしろオッペンハイマーの顔に焦点を当てているという。

バイデンは米軍基地のある岩国から入国し、他の首脳は日本の空港/独立国ゲートを利用した。他の首脳たちも、首脳会談が行われた瀬戸内海に近い宇品の日系ホテルに宿泊した。バイデンは、グランド・ゼロに近い市中心部の交通をすべて止めて、市中心部のアメリカ系ホテル(ヒルトン)に直行した。地元テレビ局のカメラマンは、アメリカ大統領が常に携帯し、世界中どこでも核攻撃を可能にする「核のフットボール」を持つ大統領補佐官の姿を捉えようとしていた。 ・・・(Deeple翻訳ソフトより)


<オンライン学習会アンケートより>

私は浪江町出身です。周囲には避難先での安寧な暮らしのために、浪江から避難してきたことを隠すひとたちがいます。これまでの日常を奪われたうえに、さらにふるさとを語らないことを自ら選択せざるを得ない状況に追いやられるなんて、どれだけ取り返しのつかない喪失でしょう。これが原発事故です。

地元のひとたちの多くは、震災後しばらく経って一時立ち入りが認められた時点で、その荒れ果てた家屋や田畑をみて、もう元の生活には戻れないことを直感したと思います。現在の浪江町中心部は、一部の「復興拠点」を除けば更地が広がり、「復興」作業を担う方々が一時的に住む新築アパートが点在しています。震災前の景観を想像することすら困難です。今思えば、地震で倒壊した家屋が残っていたときのほうが帰還への希望がありました。もう、私たちのふるさとは記憶の中にしかないのです。

であるならば、せめて家族とご先祖が生活していた場所が、世界に胸を張って誇れる地域になってほしいと願うでしょう。私はそう思っています。

今回の学習会に参加して、絶望的な気持ちと、怒りを感じました。私はふるさとが「ハンフォード」になることをまったく望みません。私はまだ、ふるさとをあきらめたくないです。

-------------

とても重要なお話をたくさんありがとうございました。登壇者の方々、運営者の方々に心から感謝します。汚染水処理、核のゴミ処理に関して、

「アメリカ側も自分たちが達成できていないことを福島に共有していた」という事実に打ちのめされました。

改めて、福島の原発事故の甚大さとこれから先の未来の予想図を描けている人がいないことの絶望を感じるとともに、その上で汚染水を放出してしまったこと、怒りを覚えます。

反対し続け、放出を止めること、周りの友達にも共有して声を上げ続けたいと思いました。

本当にありがとうございました。

--------------

イノベーションコースト構想にはモデルがあるということ、それも復興、科学の装いで何が企まれているのか、という恐ろしい世界を目の当たりにする思いでした。相双・双葉の住民の安全で、安心な生業を取り戻すというレベルを超えた、災害地を利用しようという遠謀に人間の浅知恵の醜さを見る思いでした。政権を変えれば何とかなるレベルではないと理解しつつも、とにかく変えなければなりません。この原発「事故」で科学も無色の真理ではないことがはっきりしました。大事なテーマでの企画、ありがとうございました。

--------------

有り難うございました。「唯一の被爆国」あるいは「唯一の戦争被爆国」を掲げる日本にいて、核兵器の開発製造・実験場周辺地域の被爆(被曝)を見過ごしていたことに気がつきました。全く知らなかったわけではありませんが、広島、長崎の被害の大きさに圧倒されて過小に評価してきた気がします。恐ろしい兵器だと改めて思いました。

 福島原発事故炉の「汚染水」の海洋放出は、日本が近隣諸国や太平洋諸国を被曝させる国に廻ることのように思います。何とも申し訳ない限りです。

 一定の「処理」をした結果、「科学的」に一定の基準以下で「安全」なものだというならば、そもそも最初からタンクに溜める必要はありません。見えない放射能の存在を可視化する1043基のタンクをなくすことで、原発事故を忘れさせ、国の責任をうやむやにして再び原発依存を戻ろうとしているように思えます。


ーノーマさん、宮本さん、川野さん、貴重なお話を大変ありがとうございましたー🙏

コメント

このブログの人気の投稿

アーカイブ動画「福島イノベーション・コースト構想と経済安保」

オンライン学習会のお知らせ「福島イノベーション・コースト構想と経済安保 ―「安保」の名のもと戦争体制へ」